ピアノは鍵盤楽器の一種である。据え付けて用いる大型の楽器で、横に並んだ鍵を指で弾くと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩き、音を出す。音域が非常に広く、標準的には88鍵を備える。クラシックオーケストラの持つ音域のほぼ全てを内包しているので、西洋音楽のほとんどの曲は、ピアノ曲に編曲して演奏することができる。
ピアノが発明される前の弦楽器系鍵盤楽器は、チェンバロとクラヴィコードであった。前者はある程度の音量は持ち合わせたものの、ペダルで何段階かの強弱を出せる他は自由に強弱を演奏することは困難であった(強弱を付けているように聴かせる演奏技術はあったが)。一方、クラヴィコードは強弱が自由に付けられた(さらに打鍵した後で鍵を揺らすことによってさらに表現を付けることができた)ものの、音量が得られず、狭い室内での演奏にはよかったものの、ある程度以上の広さの空間で演奏するには耐えなかった。そこで、クラヴィコードに音量を得させるために、より弦に張力を与え、その張力に耐えるフレームを用意したことにより、チェンバロとクラヴィコードの両方の欠点をなくして、音の強弱を表現が自由に行えながら、より広い演奏会場でも音が届くようになったのが、この楽器である。
現代「フォルテピアノ」と呼ばれる楽器は、18世紀転換期ごろにフィレンツェにて、チェンバロ製作家のバルトロメオ・クリストフォリによって発明されました。現存最古の信頼できるフォルテピアノの記録は、クリストフォリのパトロンでしたメディチ家の1700年の日付をもつ目録にみえます。クリストフォリは1720年代まで楽器の開発を続けました。現存する3台のクリストフォリの楽器はこの時期のものです。
クリストフォリの楽器は、優れたアクションで今日高く評価されており、ある面では後の楽器の多くよりも巧妙で優れた機構を持っています。しかしながら、フォルテピアノがフォルテピアノたるためにはアクション以外の面でも発明が必要でした。すなわち、クリストフォリのアクションをチェンバロに取り付けただけでは、ごく弱々しい音しか鳴らないと推定されます。クリストフォリの楽器では、同時代のチェンバロよりも大幅に頑丈なフレームの上に、より太く、張力の高い弦を張っています。また、全音域で1音2弦ずつ弦が張られ、後のあらゆるピアノと同様、ハンマーが複数の弦を同時に叩くようになっています。
クリストフォリはまた、ピアノに初めてソフトペダルの機構を取り入れました。ソフトペダルはハンマーが叩く弦の数を減らすようにする機構で、クリストフォリの楽器ではハンドストップを使用しています。ただし、モダンピアノのソフトペダルがクリストフォリの発明の直系なのか、独立に発明されたのかは明らかではありません。
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